歴史の小部屋
静御前
しずかごぜん
わたしの身体は、記憶をのせる器です。音を感じとり、響かせる媒介です。器が音で満たされたとき、なにかを繋ぎとめることができるのです。誰かに踊らされていたのでは、一生かかってもそこには辿り着けません。
キーワード
舞 / 余韻 / 記憶
読み方のヒント
このカードを引いたとき、 あなたの中にはきっと、まだ響いている記憶があるのでしょう。 もう戻らない時間や、遠くなった人のことは、忘れようとしてもすぐには消えてくれません。けれど、その余韻はただの未練ではなく、今のあなたの考え方や、ふるまいの中に 形を変えて残っているのかもしれません。 あなたという器が、誰かの音や記憶でいっぱいいっぱいになったときには、このカードのことを思い出してください。それらを自分の声として、もう一度響かせるためのヒントがあります。
静御前ってどんな人?
静御前は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて生きた白拍子です。白拍子とは、男装で歌い舞う女性芸能者のことで、静は京でも名高い舞の名手だったと伝えられています。 源義経に愛され、義経が兄・頼朝に追われて都を離れたときには、ともに吉野へ向かいました。その後、静は義経と離れ、捕らえられて鎌倉へ送られます。鶴岡八幡宮で舞を命じられた静は、頼朝の前で義経を恋い慕う歌を詠みながら舞ったと伝えられています。 その舞は、権力の前で披露された芸能であると同時に、離れた人への想いを、身体と声で刻みつける行為でもありました。
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